固定資産税で知っておきたい減価償却

事業に必要なものをいくつ買ったのか、かかる税金は合っているのか、申告漏れはないか?これらの確認は会社を経営するためにはとても重要です。それに伴って会計処理は複雑になり、時間も労力もかかる大変な作業になります。固定資産税関連は特に複雑なため、会社を経営する前には知っておきたい部分でもあります。減価償却といった専門的な言葉も把握しておきましょう。

減価償却って何?

経年や使用していくことで、その物の価値が減少する固定資産を様々な計算で会計処理することを減価償却と言います。固定資産取得した際に、取得するために支払った額と、耐用年数という使用に耐えうる年数で費用を計算していきます。経年や使うことで価値が減少していく償却資産が対象となります。

償却資産は事業に使用する物のほとんどが当てはまるので、机やイスなどの事務用品から門や塀、アスファルトまで償却資産となります。土地は年数や使用によって価値が下がるわけではないので含まれません。

また、耐用年数と呼ばれるものは実際にその資産を使用する期間を指すわけではありません。法律により資産ごとに年数が定められているので、表を確認しながら計算していくことになります。

この申請を行なう目的は企業の業績を正しく捉えるようにするためです。事業に必要な物品にかかった費用が、すべてその年度で費用として落とされると、利益が出る前に大きな負担となってしまいます。そのため、実際に利益を得るために利用した期間に計算することで会社の業績を正しく把握できるようになるのです。

また、会計処理する際には2種類の方法があります。1種類目は直接買った固定資産から価値を減少させる直接法。2種類目は直接減らすのではなく累計額を計算して今までの償却額のトータルを表示する間接法。その2種類で会計処理していくことになります。

減価償却のメリット

この申請を用いることでいくつかメリットが得られます。まず1つ目に挙げられるメリットは法人税の節税になることです。価値が下がっていく償却資産の費用を経費として毎年計算し管理することで、利益を数年間抑えることができます。そうすることで法人税を節約することが可能となり、納税額を減らすことができます。

2つ目のメリットは一括償却資産で財務負担を減少させることです。同じ年に購入して使用し始めた固定資産は、合計金額を3年間で3分の1ずつ計上することが可能です。これを「一括償却資産の損金算入」といい、いつもの償却費とは別に経費として計上することができます。ただし10万円以上20万円未満の固定資産に限ります。1年ごとの償却費を大きくすることで、法人税の節税に繋がります。

3つ目のメリットは財務状況を確認しやすくできる点です。固定資産の購入費用をその年で一度に計算せず、複数年にわたって計算することで負担を抑える仕組みです。会社を立ち上げた年は必要な物を揃えるために費用を多く使用することになります。その初年度に購入額を全額費用にしないことができるので、費用負担を抑えることができます。

対象となる償却資産

この申請方法の対象になる条件は、まず10万円以上の固定資産であることです。その中で、年を重ねて使用したり消耗したりしても財産としての価値が残るものも条件の一つです。また、使用可能な状態になっている場合は売ることで利益を得ることができるものであることも条件に含まれます。

対象になる償却資産は事業に関わる建物が含まれます。建物を形成するために必要な部分、建物に付属する設備も事業を行なうのに必要なものであるため、それらも含まれます。門や塀、整備された通路、整備するのに必要になるアスファルトなどが例として挙げられます。

事業や業務、製造に使用する機械装置、医療機器も対象となります。大掛かりな製造機械からコピー機、パソコンも含まれます。器具や備品の机やイスなどの事務用品も償却資産として含まれます。自動車税に含まれない大型特殊自動車や車両運搬具なども対象となります。

対象とならないのは、時間が経っても価値が減少しない土地などです。アプリケーションや製品の技術やノウハウは無形でも資産となりますが、有形の資産が基本対象となります。償却資産は事業に関わるものほとんどが含まれますが、技術開発などに必要になる費用は研究活動費に含まれます。資産ではなく研究開発費として管理することが決まっているので、混合しないように注意しましょう。

償却資産の評価方法

償却資産は一つひとつ評価額を出していく必要があります。償却資産を取得した時の価格に減価率をかけて評価額が算出できます。

経営を開始して初めての年と2年目以降では行なう計算が異なるので要注意です。初年度は「評価額=取得価額×(1-減価率×2分の1)」、2年目以降は「評価額=前年度評価額×(1-減価率)」となります。

減価償却の計算方法(定額法)

減価償却は、固定資産が会社の利益を生み出すためにその年に使われたかを考えて割り出していく仕組みです。しかし、購入した固定資産を本当にその年に使用し利益を出したか、それを数字として正確に提示することは難しくなります。

そこで、固定資産のタイプによって定められている耐用年数が重要になります。提示されている方法に従って規則的に計算していくことで、資産にかかる税を割り出していくことが可能です。割り出す計算方法は定額法と定率法があります。

定額法は、固定資産を購入した時の金額を法律で定められた耐用年数で割り、毎年経費として配分するやり方です。初年度にその資産に使用した費用の全額を経費として上げると、2年目以降に機械を使い続けていても経費として計算できなくなります。費用のない状態で利益だけが生み出されていると判断されるので、税が多く課せられてしまいます。

この状態を回避するために、購入額を耐用年数で分けることでバランスを調整していくことになります。毎年費用として計算することで、適切な経費と利益を提示することが可能です。

減価償却の計算方法(定率法)

定率法は定額法とは異なり、耐用年数に合わせて決められた割合を計算に使用します。固定資産の中でまだ申告していない償却資産の価格に、耐用年数に応じて定められた一定の割合をかけることで税額を算出することができます。

掛け合わせる割合は毎年一定ですが、申告してない償却資産が多くある初年度が最も税額が大きくなります。しかし、申告できる償却資産が減っていくに従って次第にかかる税額も年々減っていくことが定率法の特徴となります。早い段階で費用の申告と計算を行なっておくことで、その資産の耐用年数の後半では費用の負担を軽くすることが可能です。

個人経営の場合、定額法と定率法のどちらの方法を選択するか、好きに決めることができます。しかし、法人の場合は建物や建物に付随する設備、構築物は定額法、その他では定率法を選ぶこととされています。法人は定率法で計算しなければならない有形固定資産を定額法として計算する場合は税務署へ届けなければなりません。

定額法と定率法、どちらで計算しても固定資産税は同じなので、毎年同じ金額を払うか、年々減少していく方法を選ぶかは自由です。会社の経営の状態に合わせて適切だと思う方を選択しましょう。また、無形固定資産にあたる特許権、借地権、商標権、ソフトウェアなどは、法人と個人問わず定額法しか選ぶことができません。

減価償却の注意点(耐用年数・償却率)

価値が下がっていく固定資産は、各資産に合わせた耐用年数が法律で決められています。固定資産を取得するために使用された価格が収益を得るために使われていると証明するためにも、耐用年数で計算することは大切なこととなります。

償却資産の種類一つひとつに償却方法を選択していきます。新たに事業展開する場合には、方法を選定して事業開始してから翌年の3月15日までにその市町村の税務署に届け出なければなりません。届出をしなければ、どの償却資産にも定額法での対応しか選択できなくなりますので、注意してください。

注意点として耐用年数を間違わないことも挙げられます。固定資産には種類によって耐用年数が細かく決められています。耐用年数表が公開されており、同じ備品でも素材の違いによって耐用年数が異なるのでしっかり確認しましょう。

償却資産を処分しなければならない状況になった時も注意が必要です。その年に途中まで使用していた固定資産を、損傷などの理由で処分すると「固定資産除却損」として申告する必要が出てきます。この申告を忘れてしまうと使用していない固定資産にも税がかかり続けて、余分な税を払うことになってしまうので注意しましょう。

また、現金支出を伴わないのも注意点のひとつです。固定資産の購入時のみ現金の支出が行われます。そのため、費用を計算する時は現金支出を伴わないので、減価償却に相当する金額を予想して記入されることになります。キャッシュフロー計算書は決算に必要な財務三表であるため、作成する際にはこうした前提に基づいて現金の流れを算出する必要があるのです。

少額減価償却資産について

青色申告を行う中小企業が購入した30万円未満の資産のことを少額減価償却資産と言います。従業員数が1000人以下の個人事業主や資本金1億円以下の法人の中小企業の方には、特例制度が用意されています。

30万円未満の償却資産を総括して費用として計算し申告できるようにするものです。償却処理を行うには、取得した資産は取得事業において事業のために使用している必要があります。10万円未満の資産では、本来消耗品費として計上することができるので、注意しましょう。

資産を取得した時の価格の全額を費用として計算し、税金を計算する上でも取得価格の全額を当期の必要経費として申告することができます。1つの事業につき、その年度に合計300万円までであればこの規定の適用を受けられるようになっています。

事業年度末に取得した償却資産は、通常は1ヶ月分の償却費しか計上することができません。しかし、取得したのが年度末でも、この特例を利用すれば取得全額を経費にすることができ、節税に繋がります。節税が上手くいけば、会社の資金繰りを改善させることができるのもこの特例を導入する大きなメリットとなります。

一括償却資産の特例

一括償却資産とは、新品中古問わず取得価格が20万円未満の償却資産で、国内外リース資産でないものを指します。これに加え、10万円未満または使用可能期間1年未満の資産で、取得価格の全額が申告されていない資産のことです。一括償却資産処理を行なう場合、取得した資産は取得した年度で事業のために使用している必要があります。

会計上の処理は取得価格の全部または一部を費用に計上し、税金を計算する月も含む3年間で均等に額を振り分けていくことになります。国税庁が公表している耐用年数表では、20万円未満の固定資産の耐用年数は3年を超えるものが多くあります。

一括償却資産として上手く処理することで、取得価格全額を3年間で経費にすることができます。また、耐用年数が3年を超えるものであっても一括償却資産として処理することもできます。特例の条件をしっかり確認し、上手く費用を処理していきましょう。

まとめ

減価償却を用いることで得られるメリットは多くあります。会計処理が大変ですが、その分しっかり申告することで納税額を減らすことが可能です。固定資産税を理解するためにはまず償却資産についても詳しく知っておくことが大切です。経営を正しく行なっていくために、特例や仕組みについいてしっかり学んでいくことが求められます。何が償却資産に含まれるのか、計算方法と注意点も確認し、間違えないように申告していきましょう。

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