
新築・中古問わず、タワーマンションは高額な買い物なため、購入後に後悔はしたくないものです。
一生ものの買い物というのも決して大げさではありません。
だからこそ、どのような住み心地なのか、どういった利便性があるのかを理解しておきたいものです。
この記事では、タワーマンションのメリット・デメリット、物件の選び方、一戸建てやマンションとの違いなど、物件購入後に後悔しないための要点について解説しています。
タワーマンションとは?
実はタワーマンションの明確な定義は存在しておらず、強いて通常のマンションとの区別をするならば、建築基準法に基づいた高さ60m以上の建造物を規定する「超高層建築物」に該当するマンションであることです。
高さ60mの建造物は、一般的に20階以上の建物にあたるため、この階数を目安にタワーマンションかどうかを判別すると良いでしょう。
以前は、タワーマンションは高級で希少な住居として扱われていましたが、現在では首都圏から地方に至るまで多くの地域に建造され、高級物件ではあるものの一般的な住居として扱われています。
タワーマンションの特徴と、比較のためマンションと一軒家の特徴をご紹介します。
タワーマンションの特徴
タワーマンションの利点となる特徴は、以下の3つです。
- 近隣に生活上必要な環境が揃っている
- 地震対策がしっかりしている
- 一軒家やマンションと比べてセキュリティ面が優れている
タワーマンションは開発エリアに建設されることが多いため、大型の商業施設が建設されている、もしくは建設予定である場合が多いです。
その他にも、スーパーやコンビニ、ドラッグストアや飲食店、さらには病院といった周辺施設も充実している傾向にあるため、遠出をせずに生活上の用を足せることが利点です。
また、耐震基準を基に建造されているため、地震の揺れに強い構造になっており、地震大国の日本で地震への安全性が担保されている住居であることも特徴です。
セキュリティ面においても優れており、オートロック機能はもちろん、専用キーを使ったエレベーター操作、建物内に設置された監視モニター、コンシェルジュによる有人セキュリティなど、安全性の高さは群を抜いています。
逆に、タワーマンションの不便な特徴は、以下の3つです。
- 管理費や修繕積立金が高いこと
- インターネット回線回りが不便になりやすいこと
- 非常時においてライフラインが途絶えた時、エレベーターの停止や給水対応など、高層階ではかなりの負担になること
セキュリティなどの管理がしっかりしている分、管理費は高くなりやすく、経年劣化を見越した修繕積立金も通常のマンションより高くなる傾向にあります。
また、高層階になるとスマホなどの電波が届きにくくなったり、インターネット回線を建物単位で契約するため、接続の戸数によっては回線が混雑し遅延が発生したりする場合もあります。
現代は、動画やゲームといったオンラインサービスを自宅で利用することは当たり前になっているため、インターネット回線の遅延は不便やストレスにつながる可能性があります。
そのほか、災害時の生活にもかなりの負担が出てくることが予想されます。
マンションの特徴
マンションの利点となる特徴は、以下の3つです。
- 駅から近い物件が多いこと
- セキュリティ面が一軒家より比較的優れていること
- 建物や敷地内の維持管理を自身でしなくても良いこと
マンションは複数の住人が住むため、生活上の利便性を考慮して駅から徒歩圏の物件が多く、買い物などの用を足しやすい特徴があります。
セキュリティ面もしっかりしており、建物や敷地内に防犯カメラが設置されていたり、オートロック機能やセキュリティサービスに加入していたりと、さまざまな防犯システムによって安全性が担保されています。
また、建物の内外の掃除や設備管理に関しても、マンション側が委託等で請け負ってくれるため、居住者が自身で行う必要がないのも利点です。
逆に、マンションの不便な特徴は、以下の2つです。
- 物件のスペースが一軒家より狭い傾向にあること
- 管理規約によって生活が制限を受けやすいこと
マンションはその構造上、1つの建物の中に複数の物件をびっしりと設置しているため、物件1つ1つのスペースを広く保つことが難しい特性があります。
建物内の物件数を限定している高級マンションなどは、1つの物件が広い構造になっていますが、一般的な多くのマンションは一軒家と比較して物件の広さは狭い傾向にあります。
また、多くのマンションには管理規約があり、例えば「ゴミ出しは午前5時から午前8時の間」「ペットは1匹まで」「楽器などの利用は午前9時から午後18時まで」といった、居住する上で守らなければならないルールが設けられています。
一軒家と比較して管理などは楽ですが、集合住宅であるがゆえの制限を受けることも、マンションで住む上で考慮しなければならないデメリット部分です。
一軒家の特徴
一軒家の利点となる特徴は、以下の3つです。
- マンションよりも広い室内のスペース
- 日当たりや風通りが良い
- 隣人にそれほど気を使わなくても良い
室内の広さは子供の居る大人数の家族に向いており、さらに部屋数もマンションやタワーマンションと比較して多い傾向にあるため、基本的に生活の変化に合わせて引っ越す必要がありません。
また、一軒家は窓が多い作りになっている傾向にあり、日当たりや風通りの良い物件も多いため、自然を活かした室内環境を作りやすく、エアコンなどによる健康被害を抑えやすい特徴もあります。
さらに、集合住宅のように同じ建物内の住人に配慮したり、管理規約などの細かなルールに縛られて生活する必要がなかったりするのも一軒家の魅力です。
逆に、一軒家の不便な特徴は、以下の2つです。
- 立地的に駅から遠い場合が多いこと
- 比較的セキュリティ面に難があること
一軒家は郊外に建設されやすく、駅までの距離が遠く徒歩で時間がかかることや、バスを利用せざるを得ないといった、移動が不便な物件が多い傾向にあります。
また、一軒家は窓が多く、勝手口なども設置されているため、空き巣などの不法侵入に対してセキュリティ面の不安がどうしても残ってしまいます。
ホームセキュリティサービスの利用にも費用がかかりますし、自身で監視カメラなどを設置するのも手間がかかるため、セキュリティの低さと不便さに関しては、マンションと比較してデメリットになっていることは否めません。
その他にも、防災に関しては町内会などの自治体による対策はあるものの、最終的には自己責任になりがちです。
また、駐車場や庭の管理を自分で行う必要があるといった不便もあります。
タワーマンションの価格や家賃相場
高級マンションとして扱われているタワーマンションですが、物件としての販売価格や家賃相場は気になるところです。
まず、物件としての販売価格ですが、地域やタイプによって変動するものの、東京都心であればおよそ5,000万円~2億円程度が相場になります。
東京でも中央区や港区といった人気の地域は高額になる傾向にあり、例えば港区青山などでは、10億円を超える販売価格の物件も存在しています。
多摩市や稲城市といった郊外の物件では、5,000万円を切る販売価格の物件もあり、地域によって販売価格に開きがあるのも東京のタワーマンションの販売価格の特徴です。
続いて、東京都心の家賃相場をみていきます。
ここでは20階~29階建ての物件のおよその家賃相場を参考にします。
- 9階以下の家賃相場はおよそ10万円~
- 10階~20階の家賃相場はおよそ20万円~
- 20階~29階の家賃相場は30万円~
上記の家賃は地域や立地条件、建物のタイプによっても変動しますので、あくまでも目安として参考にしてください。
また、時折メディアなどを賑わす家賃100万円超えのタワーマンションはほぼ存在せず、家賃50万円を超える物件も一握りです。
東京以外の地方都市の家賃の平均はおよそ10万円~で、10万円以下で住める物件も多く存在しています。
住人に聞いてみたタワーマンションのメリット
高級感と高層階が魅力のタワーマンションですが、その他にも複数のメリットがあります。
ここでは、6つのメリットについてみていきます。
窓からの眺めがキレイ
他の物件と大きく違う点でもあるのが、窓やベランダからの眺望がとてもキレイであることです。
高層階の部屋は周囲に遮る建物がないので、遠くまで広がる街並みや山などの自然、都市の美しい夜景が一望できるなど、贅沢な景色を楽しむことができます。
間取り自体も眺望を最大限楽しめるように設計されているため、まるで鳥になって大空を飛行しているような開放的な気分を自宅で味わうことができます。
高層階から見る絶景を独り占めできるのは、居住者の特権だと言えるでしょう。
耐震性に優れている
高さのあるタワーマンションは地震に弱そうなイメージを持たれているかもしれませんが、実は厳しい建築基準のもと設計・建造されているため、高い耐震性を備えています。
日本は世界でもまれにみる地震大国ですので、年に何度も地震にみまわれる中、耐震性に優れている点は大きなメリットになります。
ただし、地震の揺れによる建物の強度は問題ないものの、高さのある建物であるがために揺れやすさはあります。
地震の揺れに恐怖を感じる人は、とくに高層階に住むことは避けた方が良いでしょう。
防犯対策がしっかりしている
居住物件としてセキュリティ面に優れており、入口やエレベーターでは専用キーの使用が不可欠だったり、防犯カメラの設置、入口は1ヵ所に限定していたりするなど、厳重な防犯対策が取られていることもメリットです。
そのため空き巣などの住居侵入の犯罪に関して、入口からの侵入はもちろん、普通のマンションよりも高さがあり外壁からの侵入も困難なため、防犯性が高く安心して暮らせます。
虫が侵入しにくい
物件によっては数十mの高さに部屋があるため、虫が室内に侵入しにくいのもメリットです。
建物の周囲の環境にもよりますが、基本的にハエや蚊などの虫が飛べる高さは地上10mほどと言われており、3階以上の部屋に住んでいれば建物内に入ってくることは激減します。
5階、10階と階数が上がるにつれ虫が存在しない空間になるため、虫の出る季節でも窓を開けて通気をしたり、夏などは夜に窓を開け、夜風で涼んだりといった過ごし方もできます。
とくに虫が苦手な人にとっては、居住物件として大きなメリットです。
共用施設・コンシェルジュ等サービスが充実
タワーマンションは、居住者が利用できる共用施設が設営されている場合も多く、宿泊用の部屋、キッズルーム、フィットネスジムといった施設を利用することができます。
また、一部の物件にはコンシェルジュが常駐しており、警備の役割をはじめ、宅配便の受け取りや掃除などの施設管理といった、居住者が快適に暮らすためのサービスを行ってくれます。
便利な施設と高級ホテルのような上質なサービスを受けられるのもメリットの1つです。
資産価値が高い
立地や築年数にもよりますが、中古でも比較的高値が付く資産価値の高さもメリットです。
資産価値が高い理由としては、新築のタワーマンションが高値で販売されていることに伴い、リーズナブルな中古物件の需要が高まったためです。
また、周辺の環境条件が良かったり、共用施設が充実していたりする物件は、その付加価値にともない比例するように高値が付く傾向にあります。
将来的に資産として活用することや、引っ越すことも視野に入れる場合には、とくに周辺環境や共用施設についても考慮して購入すると良いでしょう。
住人に聞いてみたタワーマンションのデメリット
高級マンションであるタワーマンションにも、メリットがあればデメリットも存在しています。
生活上の不便や月額の費用が関係しているものもありますので、しっかり確認しておきましょう。
エレベーターが混みやすい
タワーマンションでは、入居者が通勤や通学が同じ時間帯であるため、朝のエレベーターが混雑する傾向にあります。
とくに駅の近くの物件では、利用する電車の時間帯が住人同士で重なってしまうため、エレベーターの利用が集中してしまうことは避けられません。
混雑によっては電車に乗り遅れるといった可能性もあるため、早めに家を出て混む時間帯を避けてエレベーターを利用するなど、工夫が必要な場合もあります。
洗濯物を外に干すことができない
タワーマンションでは、ベランダや窓の外に洗濯物を干すことを禁止しているケースが多いため、洗濯が不便であることもデメリットになります。
理由は、洗濯物を外に干していると生活感が強く出てしまい、ラグジュアリーな外観を壊してしまうことがあるためです。
また、高層設計なため風が強く、人が窓の外に出て作業をすることが危険なので、外に洗濯物を干す行為を禁止している、といった理由もあります。
人の転落事故はもちろん、物干し竿や洗濯物を干す器具などが落下することも危険なため、それらを防止するために窓の外やベランダでの洗濯物を干す行為を禁止しています。
室内での自然乾燥は生乾きなどの原因になりますし、乾燥機付きの洗濯機を購入したり、コインランドリーを使用したりするなどの必要が出てきます。
デメリットではあるものの、物件によっては浴室乾燥機や布団乾燥機が付いているところもあるので、物件選びの際には確認が必要になります。
管理費が高い
タワーマンションは通常のマンションなどの物件と比較し、設備やサービスが充実している傾向にあります。
さまざまな共用施設を利用できるほか、細かなニーズに応えてくれるコンシェルジュが駐在するなど利便性は高いですが、同時に管理費が高くなってしまうデメリットは避けられません。
国土交通省が行った「平成30年度 マンション総合調査」によると、タワーマンションの平均管理費は月1万5,956円で、マンション全体(団地型を除く)の平均管理費が月1万862円であるため、一般的なマンションの管理費より1.4倍ほど高いことがわかります。
その分、セキュリティ面もしっかりしていますので、必要なコストと理解しておく必要があるでしょう。
スマホなどの電波が入りにくい
超高層建築物にあたるタワーマンションは、その高さが原因になり、スマホなどの通信機器に電波が入りにくいといったデメリットもあります。
電波を送信する基地局の高さは40mほどと言われており、基本的に電波は下方向に流れていることもあるため、建物の14階以上の部屋には電波が届きにくくなります。
とくに、テレワークやオンラインゲームといった、大量のデータ通信を行う際などには、不便を感じてしまう可能性があります。
修繕積立金が足りない場合がある
修繕積立金は、建物の経年劣化などを想定し、将来的な大規模修繕向け資金を積み立てるために毎月支払う費用です。
本来であれば、修繕積立金だけで修繕工事が完了するはずですが、実際には費用が足りず別途請求をされるケースが多々あります。
修繕積立金が足りなくなる大きな理由としては、売り手が物件を購入してもらいやすくするため、月に支払う修繕積立金が低額に設定されてしまっていることが挙げられます。
もちろん、修繕積立金を現実に則した額に設定している物件もありますが、とくに投機目的で購入する人が多いタワーマンションでは、修繕費不足に陥るケースが多々見られます。
専門家から今後社会問題化するといった指摘も出ているほど、修繕積立金不足は多くの人が陥っている問題なため、修繕積立金の金額についても事前に調べておくようにしましょう。
立地によっては災害時の被害が心配
タワーマンションは地震の揺れには対応できるようになっていますが、全ての災害に対して安全というわけではありません。
例えば、タワーマンションは埋立地に建設されている場合が多いため、地面の液状化現象による被害を受けてしまう可能性があります。
また、何らかの災害によって近辺の上下水が止まってしまい、通常の生活を送れなくなる、といった事態も考えられるでしょう。
さらに、停電によってエレベーターが止まった場合、エレベーターに搭載されている非常用電源も使用には限度があるため、高層階に住む人が長期間の自宅避難生活を送ると、非常に不便な生活を余儀なくされる可能性もあります。
タワーマンション居住に向いている人
タワーマンションはメリットとデメリットがわかりやすいため、居住に向いている人も通常のマンションなどと比べてはっきりしています。
ここでは、居住に向いている人の3つの特徴を見ていきます。
見晴らしの良い景色が好きな人
高層階の部屋が多く、窓から見晴らしの良い景色を眺められる物件が多いため、豪華な景色を楽しみたい人には向いている物件だと言えます。
太陽光と広大な青空が広がる開放的な景色や、上空から眺める美しい街の夜景といった、日常生活の中に非日常の景色が広がることは特権です。
高層階から見れる景色は、基本的にビルなどの建物からしか見れませんので、自宅で絶景が楽しめることは人によっては高い価値になるでしょう。
ステータスを感じたい人
販売価格や賃料の高いタワーマンションに住むことは、社会的に成功している証にもなるため、特別なステータスを感じたい人に向いていると言えます。
特徴である景色の良い高層階、高級ホテルのようなエントランス、豪華な共用施設といった、ラグジュアリーな雰囲気に憧れを抱く人も少なくありません。
住居にすることにより、自身のこれまでのキャリアや収入といった成功をわかりやすく形にできるでしょう。
虫がどうしても苦手な人
虫が苦手な人は多いですが、低層階であるほど虫は出現しやすいと言われています。
その点タワーマンションは、高層階にも部屋があるため、虫が苦手な人に向いています。
もちろん、虫がエレベーターに乗って侵入したり、住人の衣服にくっついて侵入したりするといった可能性はありますが、虫が飛ぶ高さである10mを超える3階以上なら出現の可能性が激減し、20階以上の高層階になるとほぼ虫の出現はなくなります。
夏などに窓を開けて過ごしても虫が侵入してくる心配が少ないため、虫が苦手な人が快適に過ごせます。
後悔しないタワーマンションの選び方
後悔せずに物件を購入するためには、必ず押さえておいた方が良いポイントがあります。
ここでお伝えする、3つのポイントを購入前に調べておくと良いでしょう。
建物内・周辺の環境をチェック
物件購入前に、タワーマンションの建物内や建物周辺の環境をチェックすることはとても大切です。
物件購入前には、部屋の内装、共用部の雰囲気や利便性、駅や学校からの距離、スーパーなどの生活に必要な店が近辺にあるかなど、環境について総合判断する必要があります。
また、地図上で確認するだけでなく、購入を検討している物件から駅や周辺の店などに向かい、実際に歩き、乗り物で移動してみることも有効です。
実際に移動してみることにより、具体的に移動にかかる時間や生活上の利便性などがわかるため、後悔しない物件選びのために有益な情報となります。
共用施設が自分に合っているか把握
物件購入前に、共用施設が自身の求めているような施設かどうか把握しておくことも大切です。
共用施設が多いことはメリットのように思えますが、その分の共益費を物件販売価格や賃料に上乗せされているため、使用しない施設分が払い損になっているとも言えます。
必要な施設と不要な施設をあらかじめリストアップしておき、居住を考えているタワーマンションが共用施設を含めて費用のコスパに優れているかどうかも判断材料にしましょう。
口コミを見ておく
昨今では物件の口コミを集めたサイトも多くあるため、購入を検討している物件の口コミ情報をネットで調べておくことも重要です。
すでに住んでいる人の声は貴重で、例えば「思っていたより学校から遠い」や「スーパーへのアクセスが不便」といった、住んでみてわかるデメリットを知ることができます。
「物件 口コミ サイト」などのキーワードで検索すると複数のサイトがヒットしますので、住んでから後悔しないために必ず物件の購入前にチェックするようにしましょう。
タワーマンションを手放すタイミング
タワーマンションは供給過多といわれているため、売り時を見誤ると資産価値が大きく下がる可能性があります。
新築のタワーマンションも中古マンションも価格が高めの今、タワーマンションからの引っ越しを考えている方は売る時期に注意しましょう。
もちろん家族構成の変化などによる生活スタイルの変化があった場合も、手放すタイミングのひとつです。
詳しく見ていきましょう。
生活スタイルが合わなくなってきた
子供が大きくなってきて部屋が手狭になった時や、家族が増えるなど家族構成が変わった時、転勤や転職などで引っ越さなければならない時など、生活スタイルが変化する時はタワーマンションを手放すタイミングです。
物件を手放す時に備え、住み替えのための資金を貯めておいたり、売却で残ったローンを完済できるか把握しておいたりするなど、引っ越しのための準備をしておくことが重要といえるでしょう。
また、自身が高齢になった時の生活をイメージし、災害時をはじめ、日常生活において高層階での生活に不安を感じるなら、身体が元気な内に引っ越し資金を準備しておくことも大切です。
大規模修繕の前に売る
タワーマンションは12年~15年に1度、建物を改装する大規模修繕を行うことが一般的です。
しかし、修繕積立金は低額に設定される場合が多く、大規模修繕を行う時に修繕費が跳ね上がり、修繕積立金では賄えずに別途費用を要求されることが多々あります。
とくに賃貸ではなく物件を購入している場合は、大規模修繕が行われる前に引っ越して売りに出してしまうのも、手放すタイミングだと言えます。
同じタワーマンション内でも、大規模修繕前に手放すことを考えている物件の購入者は多いため、できるだけ早めのタイミングで売りに出した方が高値が付く可能性があることを覚えておいてください。
大規模修繕がどの時期に行われるかは物件によって異なるため、あらかじめ不動産業者に確認しておくと良いでしょう。
5年以上保有している場合
保有している物件は、保有年数が5年以上になると引き渡しの際に支払う譲渡税が大幅に減額されるため、5年以上経過してからタワーマンションを手放すのも手です。
譲渡税とは、不動産を売却した際に発生した利益に対して課せられる税金で、以下の基準で支払額が決定します。
【短期譲渡所得(保有年数5年以下)】 | 【長期譲渡所得(保有年数5年以上)】 | |
---|---|---|
所得税 | 30% | 15% |
住民税 | 9% | 5% |
5年以上経過すると、所得税が半分、住民税が約1/2になるため、譲渡税を大幅に減額することができます。
他の手放すタイミングと併せて考えておくと、よりお得に手放すことができるでしょう。
タワーマンションの購入はメリット・デメリットの理解が大切
今回の記事では、タワーマンションのメリットとデメリットについて解説しました。
タワーマンションは、高層階から見える景色の良さ、厳重なセキュリティ、駐在コンシェルジュによるサービスなどのメリットがあり、多くの人が憧れる高級マンションです。
同時に、エレベーターが込みやすい、洗濯物を外に干せない、管理費が高いといったデメリットも存在しています。
タワーマンションは購入と賃貸どちらも高い費用がかかってくるため、近辺の環境や共用施設について、実際に住んでいる人の口コミを調べるといった、事前の情報収集を怠らないことが大切です。
通常のマンションと比べ、物件数の少ないタワーマンションの中から希望に合った物件を見つけることは大変ですが、住んだ後に後悔しないためにも物件選びは妥協しないようにしましょう。
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