
タワーマンションというと部屋が高層階にあり、眺望の良い物件をイメージされる方が多いですが、最近はあえてタワーマンションの低層階を選んで購入する方も増えています。
タワーマンションの低階層には、高階層には無い利点が存在するのです。
今回は、タワーマンション低層階の魅力と階層別で購入する際のポイントや注意点について、詳しく解説していきます。
目次
タワーマンションの定義と低層階と高層階を区別する基準
タワーマンションの基本的な知識として、タワーマンションとは何か、どのように低層階と高層階を区別しているのかをご紹介していきます。
タワーマンションとは
法律上で、タワーマンションの明確な定義というものはありません。
一般的に、タワーのように空高く伸びるような形をした超高層マンションをタワーマンションと呼んでいます。
一般的に、タワーマンションの特徴としては、以下のようなものがあります。
- マンションの高さが60m以上で、20階建以上
- 共用部分が中心にあり、東西南北すべての方向に面した部屋がある
- エントランスがゴージャスな作りをしている
- 共用部分が充実している
- 最新の耐震技術が採用され耐震性に優れている
低層階と高層階を区別する基準
都市計画法施行令では6階以上が高層階、消防法では31mを超える建築物が高層建築物とされています。
1階の高さを3mから4mとした場合、法律上では8階から10階以上が高層階、7階以下が低層階といえるでしょう。
タワーマンションの場合は、階層を3つに分け「低層階」「中層階」「高層階」と区別するのが一般的です。
例えば、30階建てのタワーマンションであれば、低層階は1階から10階、中層階は11階から20階、高層階は21階から30階となります。
タワーマンションの低層階の魅力とは
タワーマンションは高さがあるため、部屋の位置で住み心地に大きな違いが生じます。
低層階ではタワーマンションに住む意味がないと思う方が多いですが、低層階に住むことで得られるメリットもあります。
タワーマンションの低層階の主な魅力は、次の4つです。
【低層階の魅力1】すぐに部屋に戻れる
部屋が高層階にあると家に戻るまでエレベーターが何度も止まり、家にたどり着くまでに時間がかかります。
忘れ物をしたときもすぐに戻ることはできません。
低層階であればすぐに家に戻れて、エレベーターが来ない場合には階段を使うという選択肢もあります。
災害時も避難しやすいので、安全性も高いです。
【低層階の魅力2】価格が安い
タワーマンションは、眺望のよい高層階のほうが高値がつくため、低層階では価格が安めの設定です。
タワーマンションに住むメリットは、セキュリティがしっかりとしている、コンシェルジュサービスを受けられる、毎日ゴミが出せるなどがあります。
低層階は安く購入して、同等のサービスが受けられるのも魅力です。
【低層階の魅力3】子育てがしやすい
毎年、子どもが高層階から転落して命を落とす悲しい事故が発生しています。
安全面からベランダが設置されていないタワーマンションもありますが、低層階であれば落下事故のリスクが低く、子育てがしやすいです。
一階部分の部屋であれば下の階に住民がいないため、子どもが元気に部屋のなかで動き回っても、足音で苦情をいわれる心配もありません。
【低層階の魅力4】地震で揺れない
タワーマンションはあえて建物を揺らすことで、地震の力を分散し建物への被害を低減させているため、大きく揺れ、揺れている時間も長いです。
高層階で地震を経験した人のなかには、建物の揺れを理由に引っ越しを決意された方もいます。
同じタワーマンションでも、低層階は揺れが少ないです。
タワーマンションの高層階の魅力とは
高層階であれば、タワーマンションに住むことで得られるメリットを享受できます。
タワーマンションの高層階の主な魅力は、次の4つです。
【高層階の魅力1】眺めが良い
周りの建物に視界を遮られることがないですから、タワーマンションでしか味わえない開放感が得られます。
東京にあるタワーマンションであれば、美しい都会の夜景、富士山、東京湾、レインボーブリッジ、東京タワーなどが見られます。
【高層階の魅力2】資産価値が高い
低層階に比べて高層階は価格が高めですが人気が高く資産価値が下がりにくいのも特徴です。
売却する際も高く売却できるだけでなく買い手も見つけやすいので、住み替えもスムーズでしょう。
反対に低層階は人気が低い傾向にあり、売却する際は、安全面や共用施設の充実度をアピールするなどの工夫が必要となるでしょう。
【高層階の魅力3】虫が少ない
ハエや蚊が飛べる高さは10 mくらいで、低層階と比較すれば虫が侵入する可能性は極めて低いです。
ただし、ゴキブリやハエは食べ物があるところに発生します。
宅配便についていた卵が孵化して繁殖したり、エレベーターや配管から侵入したりする可能性もあり、高層階でも虫対策は必要です。
【高層階の魅力4】騒音に悩まされない
周りに何もないので、車や建物から発する騒音に悩まされることも少ないです。
最上階の部屋であれば当然上には誰も住んでいませんし、足音も聞こえません。
ただし、建物が周りにないことで、人によっては遠方の車や飛行機の音、サイレンなどが聞こえやすいケースがあるようです。
タワーマンションの低層階と高層階はどんな人向き?
低層階と高層階、どちらにするか選びやすいように、それぞれに向いている人の特徴をご紹介します。
タワーマンションの低層階が向いている人の特徴
低層階に向いている人の主な特徴は、次の5つです。
- 部屋からの眺望にはこだわらない
- 費用を抑えてタワーマンションに住みたい
- 子育てをしている
- 高いところが苦手で乗り物酔いをしやすい
- 外出が好き
タワーマンションの高層階が向いている人の特徴
高層階に向いている人の主な特徴は、次の5つです。
- 部屋からの眺めを満喫したい
- 価格よりステータスを重視する
- 投資目的で購入する
- 豊富な資金があり販売価格や固定費が気にならない
- 自宅では静かな時間を過ごしたい
タワーマンションを購入する際のチェックポイント
タワーマンションを購入する際は、部屋の階層や間取り、価格などが重要になりますが、快適な生活を実現できるように、以下の3つも忘れずにチェックしておきましょう。
駐車場の空き状況
マンションには駐車場の設置義務がないため、戸数分用意されているとは限りません。
近年、自動車の所有する人が減り、無駄に駐車場を作ってしまうとコストがかかることから、駐車場の数は減少傾向にあります。
駐車場がないと空きが出るまで数ヶ月待たなくてはいけなくなることもあります。
いずれ空くだろうという考えはやめて、駐車場に空きのある物件を選んでおいたほうが安心です。
駐車場には平置き駐車場、立体自走式駐車場、機械式駐車場の3種類があり、タワーマンションは、機械式駐車場を採用しているところも多いです。
機械式駐車場の場合、車高や車幅が制限されていることがありますので、この点も事前に確認が必要です。
周辺環境の良し悪し
タワーマンションは利便性が高い反面、平日でも夜遅くまで人で賑わっていて、ゆったりとした時間が過ごせないこともあります。
また、おしゃれなレストランやショップは多くても、生活に必要なスーパーマーケットや金融機関、病院、保育園などが近隣にない場合も少なくありません。
人よって必要となる施設は異なりますから、生活に必要な施設をリストにして、周辺に何があるか確認しておくことも大切です。
共用施設の充実度
タワーマンションは、共用施設が充実しているのも魅力のひとつです。
プール、温泉、フィットネススタジオ、キッズルームだけでなく、なかには、ゴルフレンジ、図書館、バーベキュースペース、バー、プラネタリウムが用意されているところもあります。
共用施設の利用は予約が必要で、使いたい時にいつでも使えるというものではありません。
なかには、予約ではなく抽選で決めているところあり、注意が必要です。
口コミ情報なども参考にして、設備の種類だけでなく、利用できる頻度も確認しておいたほうが良いでしょう。
「後悔しないタワーマンションの購入方法とは?住んでから気づくメリット・デメリットを解説」
タワーマンションの階層別でみる購入時の注意点
タワーマンションは階層によって得られるメリットが異なるため、購入する際のチェックポイントも違ってきます。
ここでは、低層階と高層階に分けて購入時の注意点を説明します。
タワーマンションの低層階の場合
日当たり
周りに建物があると景色が悪いだけでなく日当たりが悪く部屋が暗くなりがちです。
日当たりが悪いと、洗濯物を干しても乾かない、湿気でカビは発生しやすい、光熱費がかさむなどの問題も生じます。
同じ低層階でも、南向きで日差しがしっかりと差し込む物件を選んだほうが、売却する際も高値がつきやすいです。
セキュリティ体制
高層階であれば安全というわけではありませんが、それでも低層階のほうが空き巣に狙われやすいです。
IT技術によりセキュリティシステムも進化していて、タワーマンションでは、多重オートロックシステムや防犯カメラが導入されています。
セキュリティ面を重視するのであれば、コンシェルジュや管理人による24時間有人管理や、警備員が見回りをしているところを選びましょう。
周辺の騒音
タワーマンションは利便性が高いエリアに建てられることが多く、低層階では、電車や自動車の騒音、繁華街や商業施設が生じる騒音、通りすがりの人々の会話などが聞こえやすいです。
聞こえてくる騒音は、曜日、時間帯によって異なり、聞こえ方は風向き、天気によっても違ってきます。
音に敏感な人は、時間や曜日を変えて、細かくチェックしておくことをおすすめします。
タワーマンションの高層階の場合
エレベーターの混雑具合
国土交通省「建築基準法」により、31mを超えるマンションには、エレベーターの設置が義務づけられています。
設置台数は、50戸に1基が目安です。
あくまでも目安のため、同じようなタワーマンションでも設置されているエレベーターの台数は異なります。
台数が多ければエレベーターの混雑具合は解消されますので、高層階の部屋を選ぶ場合は必ずエレベーターの台数を確認しましょう。
より早く自宅に戻れるように、エレベーターは速度が速く、低層階用と高層階用に分かれているタワーマンションが望ましいです。
部屋の向き
高層階の部屋は、どの向きでも周りに遮る建物がなく景色が良いですが、日光の入り具合が異なり、住み心地にも影響を与えます。
南向きの部屋は一番人気で、日差しが入り冬は光熱費の節約になりますが、夏は部屋の室温が高温になり、家具や衣類が日焼けしてダメージを受けやすいのがデメリットです。
二番目に人気があるのは、東向きと西向きの部屋です。
時間帯によって日光が入りづらくなりますが、東向きは朝日、西向きは夕日を堪能できます。
北向きの部屋は一番人気がありませんが、北向きでもタワーマンションであれば部屋暗くなることはほとんどありません。
人気が低い分、販売価格は安い傾向にあり、購入しやすいのがメリットです
販売価格
タワーマンションは普通のマンションと比較すると希少価値が高めで、同じエリアのマンションと比較すると販売価格が高い傾向にあります。
特に、タワーマンションの高層階は高値で取引されています。
資産価値が高いといわれているタワーマンションの高層階ですが、今後、資産価値が下がらないというわけではありません。
タワーマンションで高層階を購入する予定の方は、その販売価格が適正なのかをしっかり確認し、充分に検討されることをおすすめします。
まとめ
タワーマンションとは、タワー型の超高層マンションのことですが、プールや共用施設があり、コンシェルジュがいてホテルのようなサービスが受けられるのも魅力です。
タワーマンションは高額ですが、低層階であれば比較的安く購入できます。
すぐに部屋に戻れて、落下事故のリスクが少なく、地震で大きく揺れないなどのメリットがあり子育てもしやすいです。
価格が高くてタワーマンションは無理とお考えの方は、低層階の購入を検討してみてはいかがでしょうか。
販売価格の高いタワーマンションは、仲介手数料も高くなりがちです。
タワーマンションを少しでも安く購入されたい方は、仲介手数料が無料になる株式会社リアルにご相談ください。
コメントを残す